まさか自分が本を出すことになるとは・・・。しかも絵本を・・・。
初めて「飛行機を見に行った」のは息子が2歳の時でした。
私が住んでいる北海道・東川町は鉄道が無く、乗り物を見に行くという場合、駅に行くよりも旭川空港に行った方が断然近いのです。
車で10分かからないぐらいで、敷地内にグリーンポートという公園があります。
飛行機の大きなエンジン音を怖がる息子を抱きかかえて「大きな音だねー」と見ていたことが思い出されます。
さっそく、山本忠敬著「ひこうじょうのじどうしゃ」(福音館書店)を買って息子と読みました。
飛行機を押していたのはトーイングトラクターっていうんだ、という感じで一緒に楽しんでいました。
本を読んでは空港に見に行き、その後でまた本屋に行って飛行機の本を買ったり、図書館で借りたり。
いろいろなことを覚えて絵本の中のものが同じように見られる、という事もありますが、
親と一緒に本を読んだり話をするのが楽しかったのだろうなぁ、と思っています。
鉄道の本に比べて、飛行機の本はまだまだ少なく、2006年当時、発売されていた飛行機にまつわる子供向けの本はほとんど読んだと思います。
私自身も飛行機関連の事がわかってくると面白くなってきて、大人向けの本を読んでは息子に教えるという感じになってきました。
そんな息子が幼稚園の時、七夕のたんざくに書いた、なりたいものは「マーシャラー(航空機誘導員)」。
マニアックすぎて先生方もわからず、ちょっと寂しそうな息子でした・・・。
息子と旭川空港に通うようになってから行くのはもっぱら、展望デッキや公園でした。
しばらく通っていると、空港の周りで写真を撮っている人が結構いるのに気がつき、行ってみました。
旭川空港は大雪山連峰と十勝岳連峰が見渡せる所で、山を背景にして飛行機を撮る事ができるので、飛行機マニアの中では有名とのことです。
眠っていた撮り鉄魂に火がついてしまい、次第に自分の写真を撮るのに夢中になっていってしまいました・・・。
撮影していたある日の事、便数の少ない地方空港なので、来るまでの間は車の中で待っていました。
他にも何人かが望遠レンズを付けたカメラを持って撮影していました。
あと20分ぐらいで予定の時間だなと思っていると、その人たちは一斉にいなくなってしまいました。
どうしたんだろうと思いながら、時間になったので飛んでくる方向を見ていたのですが、
今まで来ていたのとは逆方向から着陸したのです。
どうやら、来る方向が変わったから移動したようでした。
なぜわかるのかと聞いたところ、航空無線を聞けるレシーバー(エアバンド)というのがあって、それがあればパイロットと管制官の会話が聞けるので、
どの飛行機がどの向きの滑走路で離発着するかがわかるとの事。
聞かせてもらいましたが、英語でのやり取りなので、ちんぷんかんぷんでした・・・。
それでも面白そうだなと思い、早速購入して聞き始めました。
話しているのは英語なのですが、管制用英語?といっていいのか、基本的には決まったフレーズでのやり取りなので、
しばらく聞いているうちにだんだん聞き取れるようになっていきました。
会社勤めをしながら、週末は息子と、あるいは一人でエアバンドを聞きながら飛行機の写真を撮りに旭川空港に通っていました。